2007年5月15日火曜日

不動産証券化、累計25兆円

まだまだ伸びる、不動産証券化。とくにリフォーム、リノベーションがこれからどんどん成長してくるのではないでしょうか?



不動産証券化、累計25兆円
土地白書骨子案 活発な投資動向分析
 国土交通省の2007年版土地白書の骨子案が12日、明らかになった。

 国内の不動産投資信託(J―REIT)や不動産ファンドによる不動産証券化の実績が05年度までの累計で約25兆円に達するなど、都市部の大規模オフィスビルやマンションの需要拡大を背景に、利便性や収益性の高い地域で活発化している不動産投資の分析に力を入れたのが特徴だ。

 地価の全国平均は、07年の公示地価で住宅地、商業地ともに16年ぶりの上昇が確認された。白書案は、外資によるJ―REITへの投資が増加している点に言及したうえで、活発な不動産投資が大都市を中心に地価上昇につながっている状況を指摘した。不動産ファンドの投資対象が、東京都心部のオフィスビルから、住宅、物流施設や地方大都市のオフィスビルに拡大していることにも触れた。

 白書案は、世界各国でREIT市場が次々制度化され、オーストラリアのREIT市場では日本不動産を対象とする銘柄が上場されていることなど、不動産市場の国際化の進展も紹介した。不動産市場の国際化が進む中で、国内投資が安定的に拡大するには、土地取引情報の提供など、市場の透明性、公正性を高める必要があると指摘している。

(読売新聞より引用)

2007年5月3日木曜日

不動産投資信託の恩恵を地方に

不動産証券化による不動産投資信託の過熱感は、都心部ではもう下がり始めているようですが、本当にその投資を必要としているのは、これからは地方のようです。



ワードBOX
(西日本新聞より引用)

不動産証券化

 証券を発行して資金を集めた会社がオフィスビルやマンションなどを取得し、賃料収入や転売利益を投資家に配分する仕組み。大都市で普及する不動産投資信託のほか、地元財界の出資で投資地域を九州に限定する福岡リート投資法人(福岡市)などもある。不動産証券化協会の調査では、大手の不動産会社や金融機関が設立した41投資法人の資産残高(取得価格ベース)は今年3月現在で約5兆7000億円。このうち約3兆5000億円は東京都内の物件で、一極集中状態にある。

不動産証券化地方圏で促進 国交省実務講習に助成
(2007年5月2日掲載)

 国土交通省は、三大都市以外の地方で、ビルやマンションなどの不動産を証券化して投資家に販売する市場の活性化事業を本格的に始める。宅地建物取引業者らに対し、業界団体などが実施する実務講習の一部費用を今月から助成。講習は今後、全国30カ所以上で開かれ、約1万人の参加が見込まれている。 証券化が普及し不動産取引が盛んになれば、地方の地価下落に歯止めがかかり、大都市との格差を縮める効果が期待できる。商店街の再生や街並み保存など、従来は役所頼みだったまちづくり事業を、住民や民間中心に転換する手掛かりにもなりそうだ。

 不動産投資信託(REIT)をはじめ証券化事業は現在、好況下で地価上昇が続く東京などに集中している。一方、地方は資金だけでなく、宅地建物取引業者、不動産鑑定士、弁護士など、取引にかかわる実務や法律面の手続きをこなせる専門家が少ない。 国交省の活性化事業では、東京23区、名古屋市、大阪市以外を対象に「まず、人材とノウハウの蓄積」(不動産業課)を進め、投資を地方へ呼び込む基盤を整える。 具体的には実務講習への助成のほか、実際に証券化の仕組みを使う市街地再開発計画などに対し、国交省が不動産鑑定の費用などを助成する代わりに、証券化の実施過程のノウハウを調査、分析し、公開する事業を行う。国交省の募集に対し、既に約10事業者が名乗りを上げており、月内に事業者を決定する。

●まちづくりに 利用の動きも

 「シャッター通り」に象徴される、中心市街地の衰退問題は多くの地方都市にとって悩みの種。国や自治体の財政難を背景に、民間主導で不動産証券化を新たなまちづくりに利用する動きが各地で動き始めている。 秋田市で今月、駐車場や資材置き場になっているJR秋田駅に近い約5ヘクタールの土地について、有効な活用方法を考える研究会が発足する。メンバーは地元の自営業者や不動産関係の専門家。具体的な青写真作りはこれからだが、不動産証券化も検討課題。実務講習に助成する国土交通省の活性化事業も利用する予定だ。

 研究会にオブザーバーとして参加する同市の中沢篤志都市整備部長は「他市に先行すれば、都市間競争に打ち勝てる」とした上で、証券化の仕組みが「地域活性化にも役立つはず」と期待する。

 証券化で地域の「宝物」を守り、生かすケースもある。京都市の不動産会社などは昨年、昔ながらのたたずまいを残す京町家三軒を証券化。取得費用1億500万円のうち、5500万円を公募したが、最終的な申し込みは7000万円を超した。現在はレストランなどが入居し、営業している。

 証券化を手掛けた京都不動産投資顧問業協会は「あくまでも投資なので、リスクが伴う」と投資家に注意を促しながらも、「まちづくりにとって、資金調達の有効なツール」と指摘している。

 不動産証券化協会は「規模が小さく、競争相手も少ない地方に目を向け、事業展開する投資法人も増えてきた」と指摘しており、地方にとって追い風になりそうだ。

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2007年5月2日水曜日

『不動産バブル再燃』って本当?REIT市場を分析する

不動産投資信託の過熱で、不動産価格や賃料が高くなると、利回りは低くなります。もう国債などとそんなに多くは変わらない状況になってきたようですね。だから、海外へ!なんか、イナゴの大移動みたいですな。



『不動産バブル再燃』って本当?不動産投資信託REIT市場を分析する
2007年05月02日
(Asahi.comより引用)

■本日の要点

模様眺めとなっている株式市場を尻目に、不動産投資信託REIT市場への資金流入が続いている模様です。本日は不動産投資信託REIT市場の動向が株式市場へ及ぼす影響についてレポートします。

◇今の景気はどうなのか

本日、新聞、ニュースなどで今月17日の発表になる今年1-3月期国内総生産(GDP)の速報値について、民間の調査機関の予測が報じられていました。前回の(2006年10-12月期)実質経済成長率が年率で 5.5%と高かったこともあり、今回はその反動から、15の調査機関の平均では年率2.6%の予想となっています。

しかし、内容を見てみると個人消費が牽引役となり、かつ設備投資に表れる内需と輸出から輸入を差し引いた外需が上手くかみ合い、潜在成長率といわれる1.5%~1%後半の数字を上回る予想となっています。

このように足元の景気に対する数値については、しっかりとした内容のものが出ていることから、『まだら模様』ながらも好景気が持続していると考えられます。

好景気が続くとなると、日本経済を人間の体に例えるのならば血液となる『お金』の流れが活発になります。個人では冒頭でお話した消費にお金が流れたり、企業でいえば設備投資などに流れていったりする訳です。

そして、血液の循環がよくなると企業活動の活発化につながり、その結果収益の増加、つまり企業の成長性が高まることになりますので、成長性の高い企業の株式を購入すれば同時に企業価値が高まるとの期待感から、株式投資への資金流入へつながり株式市場が活況となる訳です。

好調な経済を表すバロメーターを株式市場とするならば、もう一方では不動産、つまり地価の上昇もその一つとして考えることができます。昔から資産3分割といえば、現預金、有価証券、不動産といわれており、文字通り資産を運用する手段として株式投資とともに不動産もその一つとされています。

不動産の価格については、『地価公示価格』がもっとも認知度が高いと思いますが、この『地価公示価格』は毎年3月に国土交通省から発表されます。今年も3月に発表されましたが、その内容から首都圏や関西など主要都市の変動率が大幅に上昇しバブル期以来の伸び率になったことで『不動産バブル再燃か?』と報じられました。

不動産市場はバブルか?

株式投資に密接に関るもので不動産といえば、不動産投資信託(以下、REIT(リート))をあげることができます。REITとは小口証券の形で投資家から資金を集め不動産に投資して、賃料や売却益で配当を受け取る仕組みになっており、一般株式同様に上場され毎日売買されています。

この不動産投資信託REITが日本のみならず世界で資金流入が加速しています。現在の不動産投資信託REIT市場に流入している資金は世界で100兆円を超える規模になっており、国内市場を見ても上場されている不動産投資信託REITは3月末で37本、時価総額で6兆円を超えています。

先ほど、REITは賃料や売却益を配当で受け取るという仕組みをお話しましたが、投資家が受け取る配当利回りについて触れると、2001年に不動産投資信託REIT市場発足当初は平均で4%台半ばでした。当時は配当利回りが5%やなかには10%のものもあったと言われています。

しかし、昨今の地価の上昇や賃料の上昇期待から外国人を中心とした投資家の活発な買いが行われた結果、不動産投資信託REITそのものの価格が上昇し現在の配当利回りは平均で約2.7%と大幅に低下しています。

その結果、長期金利の指標である10年物国債との不動産投資信託の利回り格差(スプレッド)は1%近くまで低下している状況です。どういうことかといいますと、今までは長期金利と比較して不動産投資信託の利回り格差が3%強あったわけですから、金利が低い状況にもかかわらず高い配当を受け取ることができたのは、地価が上がらないまたは下落していたことから考えると、それだけ賃料が高かったということになります。

つまり、不動産投資信託REITで高い配当を受け取る投資家がいた反面、家賃支払い者がそれを負担していたということになります。

そして現在は、地価の上昇とともに賃料の上昇期待が高まり不動産投資信託REITが買われた結果、REITそのものの価格上昇により、配当利回りが低下しかつ長期金利とのスプレッドが縮小したということになります。

注目される賃料については、引き合いに出されるデータはバブル期の賃料です。当時の賃料は一坪10万円/月に迫るほどでしたが、現在は先週新規にオープンした『新丸ビル』では新規募集の段階では一坪6万円/月、『六本木ヒルズ』では一坪5万円台/月といわれています。

特にバブル崩壊後、10数年にわたり憂き目を見てきた不動産業界では、『空室率の高い時期に値下げして入居してもらったテナントに値上げを切り出しにくい』との声もあるようです。

まとめますと、現在の不動産市場がバブルかどうかについては定かではありませんが、少なくとも過剰ともいえる将来の賃料の上昇を見越した不動産投資信託REIT市場の価格については、やや期待感が先行した価格になっていると思われます。

国内市場のみならず、世界的な不動産投資信託REIT市場の過熱感は長期金利のゆるやかな上昇と賃料の上昇という裁定が機能すれば『正常』といえますが、期待感のみで価格上昇というゆがみが何らかの形で是正
される可能性も十分にあると思います。

主要国では、退職世代の間で高利回りを求めた結果、不動産投資信託REITを買う動きが強くなっていますが不動産に直接投資するのではなく間接投資を行うことになるため、よりその他の金融商品との連動性が高まっている状況といえます。

今後、株式市場と不動産投資信託REIT市場との連動性を無視できない環境となる可能性が色濃くなっていると思われます。

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