2007年9月10日月曜日

都心地価「上げ止まり」 海外資金が急減、30地点で伸び0%

不動産投資のうまみが一服、といった感じでしょうか・・・でも下がることは考えにくいですね。さて、どうなることか。。。

(ヤフーニュースより引用)

 高騰を続けてきた都心部の地価が住宅地、商業地ともに「頭打ち」の様相をみせ始めている。地価上昇を支えてきた海外から流れ込む不動産投資マネーが減り始めているからだ。米国に端を発した低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が世界的に広がる中で、投資家の意欲がさらに冷え込む可能性も指摘されている。路線価などの統計ではなお上昇基調にある都心の地価だが、変調ぶりに不動産業界などの関心が高まっている。

 ■商業・宅地とも
 野村不動産アーバンネット(東京)が7月、東京23区内の住宅地51地点を抽出した地価動向調査によると、7月1日時点におけるこの1年間の地価の伸び率は21・4%。しかし、直近3カ月の伸び率は3%にまで落ち込んでおり、地価の上昇ペースに急ブレーキがかかっている格好だ。また、地点ごとにみると、「港区赤坂8丁目」「渋谷区神宮前4丁目」など、調査地点の半分以上にあたる30カ所の伸び率が0%を記録。都心住宅地の価格は、多くの地点で頭打ち傾向になりつつあることが判明している。
 一方、商業地でも同様の傾向が出ている。港区内に事務所を構える不動産鑑定士によると、「昨年から港区や中央区、千代田区など、都内一等地の商業地の地価は頭打ちになっている」と指摘する。その背景について、この鑑定士は「REIT(不動産投資信託)の配当利回りが落ちたことなどで魅力が薄れ、海外などから流れ込む投資マネーが細り始めているからだ」と分析する。
 REITは、投資家から集めた資金をオフィスビルなどの不動産で運用し、賃貸収益や売却益を配当金として投資家に分配する投資商品。東京証券取引所が発表しているREIT販売状況によると、平成17年5月から外国人による買い越しが続いてきたが、今年6月は約375億円、7月には約203億円の売り越しに転じている。これらに加え、サブプライムローン問題が今後の地価に影響すると考えているのが、REITアナリストの山崎成人さんだ。山崎さんは「海外の投資家は投資リスクに慎重になるはず。日本の不動産市場への投資も今後減るだろう」と予測する。この結果、高騰を続けてきた都心地価は上げ止まり、一部で指摘されていた「バブル」は収束に向かうだろうとしている。

 ■業界は強気

 こうした見方に対し、不動産業界は否定的だ。東京建物の南敬介会長は「サブプライムローンに対する投資は、ジャンクボンド(信用格付けが低く、利回りが高い債券)への投資のようなものだ」と指摘。そうしたハイリスク・ハイリターン狙いの投資に、安定的な配当を志向する機関投資家はそもそも手を出しておらず、「(サブプライムローン問題の影響で)投資家がREITへの投資をやめる事態はあまりないのではないか」とみる。三井不動産の岩沙弘道社長も「土地と建物に魅力ある付加価値を追求すれば、投資していただける」と強調し、都心の地価がピークを迎えたという見方に反論する。
 今月下旬にも基準地価が発表されるが、今後も都心一等地の地価動向からは目が離せない状況が続きそうだ。